平成18年第3回 9月定例会 平成18年第3回
函館市議会定例会会議録 第3号 平成18年9月15日(金曜日) 午前10時01分開議 午後 3時42分延会==========================================〇議事日程日程第1 議案第1号 平成18年度函館市
一般会計補正予算 議案第2号 平成18年度函館市
国民健康保険事業特別会計補正予算 議案第3号 平成18年度函館市
温泉事業会計補正予算 議案第4号 平成18年度函館市
病院事業会計補正予算 議案第5号 函館市
特別職報酬等審議会条例の一部改正について 議案第6号 函館市行政手続等における情報通信の技術の利用に関する条例の制定について 議案第7号 函館市恩給条例の一部改正について 議案第8号 函館市手数料条例の一部改正について 議案第9号 函館市
総合福祉センター条例の一部改正について 議案第10号 函館市
あおば学園条例の制定について 議案第11号 函館市ともえ学園条例の制定について 議案第12号 函館市
知的障害者更生施設条例の廃止について 議案第13号 函館市青柳学園条例の一部改正について 議案第14号
函館市立保育所設置条例の一部改正について 議案第15号 函館市
重度心身障害者医療費助成条例の一部改正について 議案第16号 函館市
老人医療費助成条例の一部改正について 議案第17号 函館市
ひとり親家庭等医療費助成条例の一部改正について 議案第18号 函館市
乳幼児医療費助成条例の一部改正について 議案第19号 函館市
臨海研究所条例の制定について 議案第20号 函館市学校設置条例の一部改正について 議案第21号 函館市
西桔梗野球場条例の制定について 議案第22号
函館市営熱帯植物園使用条例の一部改正について 議案第23号
市立函館病院高等看護学院の授業料,入学料および
入学検定料条例の一部改正について 議案第24号 函館市消防団条例等の一部を改正する条例の制定について 議案第25号 工事請負契約について((18)市営住宅日吉3丁目団地11号棟新築主体工事)日程第2 一般質問──────────────────────〇本日の会議に付した事件 議事日程と同じ──────────────────────〇出席議員(74人) 1番 熊 坂 成 剛 2番 石 井 満 3番 田 中 孝 司 4番 出 村 勝 彦 5番 浜 野 幸 子 6番 吉 田 崇 仁 7番 金 沢 恭 平 8番 高 橋 佳 大 9番 斉 藤 明 男 11番 黒 島 宇吉郎 12番 中 江 捷 二 13番 佐々木 勇 一 14番 加 藤 詔 三 15番 本 間 新 16番 北 原 善 通 19番 岡 山 弘 一 20番 村 井 正 幸 21番 工 藤 恵 美 22番 森 祐 23番 金 沢 梧 樓 24番 丸 尾 隆 子 25番 坪 光 雄 26番 斉 藤 勝 昭 27番 上 谷 俊 夫 28番 瀬 尾 保 雄 29番 竹 越 勝 昭 30番 蛯 谷 邦 男 31番 下 池 徹 32番 久 保 幸 一 33番 能 川 邦 夫 34番 阿 部 善 一 35番 岩 上 洋 志 37番 白 崎 憲司郎 39番 佐 藤 辰 雄 40番 太 田 正太郎 41番 佐々木 一 朗 42番 増 輪 正 43番 竹 花 郁 子 44番 志賀谷 隆 45番 岡 義 次 46番 樋 口 広 文 47番 杉 林 幸 弘 48番 小野沢 猛 史 49番 福 島 恭 二 50番 小 山 直 子 51番 斉 藤 佐知子 52番 中 市 敏 樹 53番 久 野 久 一 54番 佐 古 一 夫 55番 松 永 清 男 56番 細 田 レイ子 57番 市 戸 ゆたか 58番 依 田 邦 男 60番 長 田 征 洋 61番 茂 木 修 62番 遠 山 俊 一 63番 吉 田 充 信 64番 砂 田 義 稔 65番 能登谷 公 66番 桶 本 建 郎 67番 板 倉 一 幸 68番 川 口 邦 昭 69番 中 村 美津子 71番 宇 美 兼 松 72番 佐々木 善 昭 73番 田 崎 竹 嗣 74番 浜 田 克 巳 75番 佐 藤 末 光 76番 木津谷 富 敏 77番 小谷野 千代子 78番 佐々木 信 夫 79番 折 田 牧 夫 80番 吉 村 良 一 81番 井 田 範 行──────────────────────〇欠席議員(3人) 10番 田 中 博 17番 岩 谷 正 信 36番 杉 林 千 一====================== 午前10時01分開議
○議長(福島恭二) おはようございます。 傍聴の皆さん、大変御苦労さまでございます。 ただいまから本日の会議を開きます。──────────────────────
○議長(福島恭二) 日程第1 議案第1号平成18年度函館市
一般会計補正予算から議案第25
号工事請負契約についてまで、以上25件を一括議題とし、質疑並びに日程第2 一般質問をあわせて行います。 発言の通告がありますので、順次これを許します。24番 丸尾 隆子議員。 (丸尾 隆子議員登壇)(拍手)
◆(丸尾隆子議員) おはようございます。 傍聴に来られた皆さん、本当にありがとうございます。聴覚障がいのある方たちもおいでですので、ゆっくり質問いたしますのでよろしくお願いいたします。 それでは、早速、私は市長に質問をいたします。 大きな1つ目は、餓死、孤独死、自殺などの悲劇を生み出さない保護行政についてです。 構造改革によって、富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくという格差社会が広がっています。その中で、暮らしが立ち行かず、悲しい事件が起きています。 最初に紹介したいのは、北九州市で相次いで起きた悲惨な事件です。ことし4月、市営住宅でお母さんと娘さんが餓死、もう一人の娘さんが飢餓状態で発見されました。5月には、市営住宅で56歳の男性がミイラ化して発見されました。6月には、市営住宅で60歳代の夫婦が変死で発見されました。5月に発見された男性は、昨年9月、水道局からの緊急通報でケースワーカーと保健師が訪問しましたが、緊急に保護の必要なしと判断されました。その日の夕方、次男を伴い保護課へ保護の申請に行きましたが、親族が援助をと申請できなかったとのことです。12月に所持金もなく、電気、ガス、水道もとまり、体も弱り、申請に行きましたが、長男から援助をと言われ、また申請できませんでした。餓死、孤独死事件が起こり、福祉事務所の面接が過酷でないのかという指摘もされていますが、福祉事務所は、対応は適切だったと言っています。 また、秋田市では、1度目は生活保護の申請ができず帰され、2度目、3度目は、申請しましたが2度とも却下された男性が、7月に福祉事務所の前で抗議の練炭自殺をしました。テレビ報道によりますと、この男性は、以前働いていた職場では欠勤、遅刻などもなくまじめな人でしたが、強度の睡眠障がいで5年前仕事ができなくなり、会社を解雇されました。それ以来まともな仕事につけず、2年前から申請直前まで車上生活をしていました。申請当時も相当量の睡眠薬を常用していました。初めの却下は、検診命令の結果、睡眠障がいはあるが働けないわけではないとの医師の所見が出たから、能力を活用していないとされ、2度目の却下は、求職活動が不十分で、能力の活用をしていないためというのが理由でした。これも福祉事務所は対応は適切だったと言っています。 京都市では、生活保護が受けられず、54歳の男性が86歳の認知症の母を承諾の上首を締めて殺し、自分自身も包丁で首を切り自殺を図った事件がありました。ことし2月1日の早朝のことです。男性は長年一人で母親を介護していましたが、昨年の春から母親の認知症が悪化し、会社を退職、失業給付金で介護保険のデイサービスに通い出しましたが、その給付金も底をつき、家賃も介護費用も払えなくなり、心中を決意したそうです。最後の日、親子は思い出深い京都の町を車いすを押して散策し、息子は母親に「もう生きられへんのやで。」と語りかけ、母親は、「そうか、あかんか。」と同意したそうです。 全国各地でこのような悲惨な事件は多数発生しているのです。
京都同意殺人事件の7月の判決で、裁かれているのは被告だけではない、
生活保護制度、介護制度のあり方が問われていると、異例の制度批判の発言が裁判長から行われました。
生活保護行政が理由となって、餓死や孤独死や自殺などの悲劇をこの函館市で起こしてはならないと私は思いました。 市長は、このような悲惨な事件をどのように受けとめているのでしょうか。 また、このような悲惨な事件を起こさないという市長の決意をお聞かせ願います。 大きな2つ目は、
改正まちづくり3法と大型店の出店規制についてですが、私が予定していた質問とほぼ重なる質問と答弁が昨日ありましたので、この質問は取り下げたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 大きな3つ目は、季節労働者の雇用保険の特例一時金にかかわる対策についてです。北海道には、積雪、寒冷という自然条件によって季節的に失業を余儀なくされる13万人余りの労働者がおり、建設業を中心に、農業、林業、製造業、運輸業の一部、観光産業などのサービス業に従事し、函館職安管内でも1万4,195名の季節労働者が仕事に従事しています。ところが、季節労働者の冬場の暮らしを支えていた季節労働者冬期援護制度が2006年度をもって廃止されてしまいます。さらに、今、厚生労働大臣の諮問機関である
労働政策審議会において、雇用保険の特例一時金の廃止あるいは見直しの議論がされています。 この特例一時金の1人平均受給額は約25万円となっており、厳寒の北海道において、ほかに収入のない3から4カ月の生活を支えるためには、文字どおりぎりぎりの生存ラインとも言えるものです。特例一時金50日分が廃止されれば、季節労働者の冬期間の失業中の生活保障がすべて奪われることになります。廃止されないまでも、50日から30日に削減する案も、諮問機関である
労働政策審議会で議論されています。30日に削減されると、1人平均受給額は20万円前後になり、3から4カ月の生活費と考えると、
生活保護基準以下の生活になることがはっきりしています。また、総額で300億円を超える特例一時金の給付は、地域経済にはなくてはならないものでもあります。とりわけ、北海道においては長期にわたる不況と景気回復のおくれ、さらには自治体財政の困難の増大によって、公共事業の減少が続くなど雇用情勢は依然として深刻です。 そこで市長にお聞きします。 雇用保険の特例一時金の廃止あるいは見直しをしないよう、積雪寒冷地の市長の一人として、国、道に働きかけるとともに、函館市としても
季節労働者対策を充実すべきと考えますが、いかがでしょうか。 大きな4つ目は、
障害者自立支援法についてです。 私は、自立支援法に伴う応益負担の導入、つまり1割負担の導入について、さまざまな角度から取り上げ、特に低所得者に対する市独自の低減措置を求めてきました。私自身が調査した負担増の実態は、これまでの議会質問で紹介したのですが、障がい者の負担増が市全体でどのようになっているか、そのことを認識することは、障がい者の生活を応援する第一歩として極めて大切なことと私は考えています。自立支援法の応益負担で市民負担はどれくらいふえたのでしょうか。 次に、10月開始の
地域生活支援事業の利用者負担についてです。
地域生活支援事業は、制度的には裁量的経費で賄われるという問題点はありますが、市町村事業として事業を無料にするかどうか、負担のあり方などは市町村が決めることになっています。私は、手話通訳・
要約筆記派遣事業や
地域共同作業所が形を変えて行う
地域活動支援センター事業など、現在無料の事業は無料のまま継続すべきだと何度も要望してきました。10月は目前ですが、
地域生活支援事業の利用者負担はどのようになるのでしょうか。 次に、
北海道障害者基本計画と障がい者施設の今後についてお聞きします。 道は、このほど道内の施設に入所している障がい者を今後5年間で14%、1,700人減らすとの数値目標を打ち出しました。脱施設化を掲げる国の基本方針に沿ったものですが、14%の削減目標は、国が求める7%の2倍に当たります。施設入所率が全国平均の約2倍になっているためだというのが道の説明ですが、地域での基盤整備が圧倒的に不足しているもとで、障がい者を路頭にほうり出すに等しいものと批判の声が上がっています。新聞報道では、「障がい者の立場で再考を」と題した社説を掲げ、経済が冷え込む中、地域が障がい者の受け入れ体制をとるのは難しい。地に足のついた目標を考えるべきだと指摘されていました。 そこでお聞きしますが、こうした状況を踏まえて、市は今年度中に作成する障がい福祉計画についてどのようにお考えでしょうか。 次に、
障害程度区分の問題点と改善についてです。 10月からは、
障害程度区分の認定結果に基づいて、介護、訓練等給付の
福祉サービスが支給されることになります。しかし、第1次判定における国の106の調査項目は、そのうち79項目が介護保険と同じもので、知的及び精神障がいの
障害程度区分が適正に判定されず、低くなるおそれがあるなどと関係者から不安の声が強く上がっています。 市は、こうした声にこたえて、至急国に必要な改善を図るよう求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 自立支援法では、介護保険のように
障害程度区分ごとにサービス料の上限が決められているわけではなく、
障害程度区分は支給決定を行う際の勘案事項の一つにすぎません。市は、障がい者の実態や利用意向を十分に反映させて、サービスの支給決定を行う責任がありますが、いかがでしょうか。 また、国は
現行サービス水準を後退させないと繰り返し国会で答弁し、
障害程度区分ごとの国庫補助単価の決定に当たっては、従前の補助実績に基づき国庫負担を行うとしています。この約束を守らせなければならないと思いますが、いかがでしょうか。 大きな5つ目は、介護保険についてです。 私は前議会で、4月から介護認定区分が大きく変わり、要介護1の認定を受けていた人の大半が要支援2の認定に変更になり、受けられるサービスが減ることに伴う問題を取り上げました。私はその中で、視力障がい者が認定更新で要支援2になり通院介助が受けられなくなったケースを紹介しましたが、その後も同様のケースで困っていると、視力障がい者や
ケアマネジャー、介護事業者からたくさんお聞きしています。そして、このような困難な問題は市の
介護高齢福祉課に相談もしているようです。 こうした現状に対して、しっかり手を差し伸べて解決すべき問題であると私は考えていますが、市長のお考えをお聞きします。 次に、要支援、要介護1の高齢者への福祉用具、
介護予防福祉用具の貸与についてです。 要介護1以下の軽度の高齢者は、4月からは原則として車いすや介護ベッドなど福祉用具の貸与が受けられなくなり、従来の利用者への経過措置も9月末が限度とされ、車いすや介護ベッドが取り上げられるのではないだろうかと高齢者の不安は高まっています。 例えば
パーキンソン病の方を例に話したいと思いますが、
パーキンソン病の68歳の女性Aさんは、自力歩行はできますが、一度横になると全く起き上がりや寝返りができず、介助が必要です。電動ベッドがあれば、ベッドを電動で起こして起き上がりや立ち上がりを自力で行うことが可能です。しかし、要介護1のため電動ベッドが使えなくなります。 次に、肺結核の後遺症で呼吸不全の79歳の女性Bさんを紹介したいと思います。Bさんは、在宅で人工呼吸器と酸素療法を実施していますが、呼吸困難感のため、常に電動ベッドの頭部を15度ほど上げて寝ていますが、要介護1のため10月からベッドが使用できなくなります。 これらの方々は、電動ベッドが使えなければ寝たきりになる心配があります。このように、福祉用具が取り上げられることによって、寝たきりの人をつくるということは、介護保険の趣旨に反すると私は思いますが、市長はどのような救済策をお考えでしょうか。 次は、特定高齢者の通所型・
訪問型介護予防事業についてです。 私は前議会で、4月からやることになっていた非該当、つまり自立の判定を受けた方の
通所型介護予防事業、
訪問型介護予防事業などの
地域支援事業がまだ始まっておらず、
地域包括支援センターにその見通しが伝えられていないと述べたのに対し、保健所長から、
通所型介護予防事業は事業の委託先の選定を決めている。また、
訪問型介護予防事業は特定高齢者が選定され次第、実施したい旨の答弁がありました。
高齢者計画策定委員会では、特定高齢者を2006年度は2,830人と推計していますが、通所型・
訪問型介護予防事業がどのようになっているのか、お聞きします。 大きな6つ目は、
公立保育園民営化についてです。 まず、横浜地裁判決と
公立保育園民営化についてですが、横浜市の4つの市立保育園の民営化をめぐり、保護者と園児ら67人が性急な民営化は園児の発育に悪影響を与えるとして、市に
民営化取り消しと損害賠償を求めた訴訟の判決が、ことしの5月22日、横浜地裁であり、裁判長が、早急な民営化は裁量の範囲を逸脱し、乱用したもので違法と指摘し、在園児の保護者28世帯に1世帯当たり10万円、計280万円の支払いを命じたことについて、前議会で高橋 佳大議員は、函館市にも当てはまることが多くあると前置きして、市長の判決に対する受けとめを質問しました。 市長の答弁は、横浜市と函館市は異なる状況にあるという答弁でした。時間の関係もあり、それ以上のやりとりはされませんでしたが、私は裁判の争点となった児童福祉法第24条の解釈についてお聞きします。 児童福祉法第24条について、次のような解釈があります。法24条は、保護者に対して保育所を選択し得るという地位を一つの法的利益として保障したものと認めるのが相当。そして、入所時における保育所の選択は、入所時だけの問題ではなく、その後の一定期間にわたる継続的な保育の実施を当然の前提としたものであるし、入所後に転園や退園を求めるのは自由であるというのでは、入所時の選択は空疎なものとなる。保育が継続している期間に保育所を廃止することは、このような保護者の有する法的利益を侵害するものと評価できる。また、児童の法的利益については、児童が特定の保育所で保育の実施を受けており、また将来保育期間中にわたって受け得るという利益は、法的に保護された利益と解するのが相当である。 今紹介した児童福祉法第24条の解釈について、市長の所見をお伺いします。 次に、民営化した保育園の保育士配置についてお聞きします。 函館市における
公立保育園民営化で最大の争点となったのは、保育士の配置数が民営化後減らないかということでした。最近、私は民営化2年目の桔梗保育園の保育士配置数を調べてみたのですが、保育士の配置が国基準ぎりぎりまで落ちていることがわかりました。移管条件でも、市は移管先法人に対して、保育士配置の努力を法人の選考に当たって重視していたはずです。保育士配置の激減についての説明を求めます。 次に、
美原保育園民営化における共同保育についてです。 これまでの桔梗保育園、亀田港保育園の場合と違って、美原保育園は民営化とともに園舎が変わります。保育士も入れかわり、子供が生活する保育園の建物も全部変わってしまいます。それだけに、民営化に当たっては共同保育が大切になります。美原保育園の共同保育について、どのようにしようとしているのか、お聞きいたします。 以上でこの場での質問を終わります。(拍手)
○議長(福島恭二) 井上市長。 (市長 井上 博司登壇)
◎市長(井上博司) ただいま丸尾議員から大綱5点御質問がございましたので、順次お答えを申し上げます。 まず、大綱1点目は、餓死、孤独死、自殺などの悲劇を生み出さない
生活保護行政ということで、私からは1点になりますが、生活保護にかかわってのお尋ねでございますが、生活保護につきましては、生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ必要な保護を行い、最低限度の生活を保障し、その自立を助長することを目的とするとともに、利用し得る資産、能力、その他あらゆるものをその最低限度の生活維持のために活用することなどを要件としております。 こうした中、ただいま丸尾議員の御質問にあったような事態が生じたことにつきましては、心の痛む残念な出来事であると、このように受けとめております。 生活保護の相談に際しましては、その方の生活に困窮する状況や健康状態、さらには資産の保有状況、就業を阻害する要因、扶養義務者の状況などの諸事情を勘案し、慎重に対応しているところでありますが、今後とも、丁寧に対応するとともに、適正な生活保護の実施に努めてまいりたいと考えております。 次は、大綱3点目でございますが、季節労働者の雇用保険の特例一時金にかかわる対策について、これも1点でございますが、季節労働者の特例一時金についてのお尋ねですが、季節労働者の特例一時金につきましては、現在、国の
労働政策審議会において議論されているところであります。一方、地域の雇用情勢については、依然として厳しいことから、季節労働者の冬期の雇用が安定的に確保されていない現状において、特例一時金が廃止や見直しされることは、季節労働者の雇用と生活の安定のみならず、地域経済にも大きな影響を与えることになりますので、市といたしましても、この制度の存続と給付水準の維持について国に要望しているところでございます。 また、季節労働者の雇用につきましては、積雪寒冷地という地域特性や高齢化が徐々に進んできていることなどから、なかなか難しい面もありますが、観光の振興を初め、地場産業の活性化を図っていくことが雇用の確保につながることから、今後におきましても、北海道や
北海道季節労働者雇用対策協議会等との連携を図りながら、その対策に取り組んでまいりたいと考えております。 次は、大綱4点目でございますが、
障害者自立支援法にかかわる御質問のうち、
地域生活支援事業の利用者負担及び障がい福祉計画の策定についての御質問につきましては、私からお答えをさせていただきますが、その他の御質問につきましては、福祉部長よりお答えをさせていただきたいと存じます。 まず1点目、
地域生活支援事業の利用者負担についてのお尋ねですが、
地域生活支援事業につきましては、
障害者自立支援法において市町村が実施する事業に位置づけられており、利用者負担につきましては、実施主体である市が決定することとされております。利用者負担の考え方につきましては、
地域生活支援事業それぞれのこれまでの負担のあり方や他の障がい
福祉サービスにおける負担等を考慮し、コミュニケーション支援事業など、これまで無料のものは10月以降も引き続き無料とし、移動支援事業や身体障害者デイサービス事業など有料のものは10月以降も有料としますが、利用者の負担軽減を図るため、1割の定率負担から所得に応じて負担していただく応能負担に変更するものであります。 次は、障がい福祉計画の策定についてのお尋ねですが、
障害者自立支援法により、都道府県及び市町村には障がい福祉計画の策定が義務づけられており、この計画におきましては平成23年度末の達成に向けて、施設入所から地域生活に移行する方の割合などの数値目標を設定するとともに、18年度から20年までの各年度ごとの必要なサービスの見込み量及びその確保の方策を定めることとされております。 このため、市といたしましては、国から示された基本指針や北海道から示された作成指針に即して、地域の実情を十分に勘案しながら、18年度中に計画を策定し、地域生活への移行や就労支援といった新たな課題に対応してまいりたいと考えております。 また、策定に当たりましては、サービスを利用される方々のニーズや実態などを把握し、計画策定推進委員会で検討をいただきながら、障がいのある方々を初めとした市民の皆さんの幅広い御意見を反映してまいりたいと考えております。 次の大綱5点目、介護保険にかかわる御質問につきましては、福祉部長、保健所長より、また大綱の6点目、
公立保育園民営化にかかわる御質問につきましては福祉部長より、それぞれお答えをさせていただきたいと存じます。 私からは、以上でございます。
○議長(福島恭二) 先ほど丸尾議員から発言通告のうち、大綱2、
改正まちづくり3法と大型店の出店規制について取り下げの申し出がございましたので、これを了承いたしたいと思います。
◎福祉部長(岡田芳樹) 大綱4、大綱5及び大綱6にかかわりまして、9点、私から御答弁を申し上げます。 初めに、大綱4、
障害者自立支援法についての御質問4点について御答弁いたします。 まず、
障害者自立支援法における市民負担についてのお尋ねですが、
障害者自立支援法は、障がい
福祉サービスを将来にわたって持続可能な制度とするため、サービス利用者を含め、社会全体で費用を負担し支え合う仕組みにすることとし、利用者負担については、サービス費用の原則1割負担とする一方、利用者の属する世帯の収入に応じて負担額の上限を設けるとともに、利用するサービスごとに軽減措置も講じているところであります。
障害者自立支援法施行後の4月の負担額と従前の支援費制度での3月の負担額を月額で比較いたしますと、ホームヘルプサービス利用者で1人平均1,816円、施設通所者で1人平均1万4,658円、施設入所者で1人平均1万3,782円、それぞれ利用者負担が増加している状況にあります。 次に、
障害程度区分判定に対する不安の声への対応についてのお尋ねですが、
障害程度区分につきましては、客観的な全国統一基準として設定されているもので、介護給付等のサービス利用を希望される方の心身の状態を総合的にあらわす区分であり、認定調査や医師意見書などを参考に、審査会において判定を行い、市が認定することとなっております。 施設関係の方々が、知的及び精神障がい者の
障害程度区分が適正に判定されず、低くなるおそれがあるという懸念をお持ちであることは承知をしておりますが、判定に当たりましては、106項目の認定調査項目のほか、必要な介護についての詳細な特記事項を記載することとされており、2次判定を行う審査会では、この特記事項や医師意見書の内容を慎重に審査しておりまして、市といたしましては、申請者の心身の状態が正確に反映されるよう適切な判定に努めているところであります。 しかしながら、今後判定結果を検証していく中で、御指摘のような傾向が顕著と判断される場合は、北海道や全道市長会を通じて国に必要な改善を図るよう要請してまいりたいと考えております。 次に、障がいのある方への介護給付についてのお尋ねですが、提供するサービス内容につきましては
障害程度区分のほか、介護者の有無や日中活動の状況、居住環境などの勘案事項を調査し、さらには本人の意向を十分把握した上で総合的に検討し、決定してまいりたいと考えております。 次に、国庫負担についてのお尋ねですが、
障害者自立支援法は障がい
福祉サービスに係る国庫負担について、市町村の支弁する費用の2分の1を負担する旨規定しておりますし、7月末に国から、国庫負担基準額が実際の支出額を下回る場合には、激変緩和を図る観点から17年度実績額を保障する旨の考え方と具体的な算定方法が示されたところであり、おおむね市のサービス支給実績に見合う国庫負担は確保されるものと考えております。 次に、大綱の5、介護保険についての御質問2点について御答弁いたします。 まず、要支援1の視覚障がい者の通院介助についてのお尋ねですが、要支援の方の介護予防サービスにつきましては、要介護とならないよう状態の維持改善のために介護予防プランに基づき、必要なサービスを提供することとされております。 したがいまして、通院介助につきましても、利用者の状態及び必要とされるサービス内容に応じ、サービス担当者会議等の所要のプロセスを経て、利用限度額を考慮しながら、必要なサービスが提供されているものと考えておりますが、個別のケースにつきましては、御相談をいただき、実態を把握した上で適切に対応してまいりたいと考えております。 次に、要介護1以下の軽度な方に対する福祉用具の貸与についてのお尋ねですが、介護保険制度の改正によりまして、要支援及び要介護1の方の車いすや特殊寝台などの福祉用具の貸与につきましては、本年4月から一定の条件に当てはまる方を除き、保険給付の対象としないこととされました。また、以前から貸与を受けていた方につきましては、9月までの経過措置を置くこととされております。しかしながら、制度上、要介護認定データを利用して福祉用具の必要性の観点から身体の状況などを客観的に判断した結果、日常的に歩行や起き上がりが困難な方など、一定の条件に当てはまる方は引き続き保険給付を受けることが可能となっておりますことから、市の相談窓口や
地域包括支援センター、居宅介護支援事業者に御相談いただきたいと考えております。 次に、大綱の6、
公立保育園民営化についての御質問3点について御答弁申し上げます。 まず、児童福祉法の解釈についてのお尋ねですが、丸尾議員から、横浜市における保育園の民営化に係る住民訴訟の横浜地方裁判所の判決文を引用されて、児童福祉法第24条の解釈についての御質問をいただいたところでございますが、判決においては、そのほか、民営化自体を違法とまで言うことはできないとの判断も示しているところでございます。 いずれにいたしましても、当該訴訟については現在高等裁判所において係争中であり、判例として確立したものではないことから、横浜地方裁判所が示した法の解釈についてお答えすることは難しいところでございます。 次に、民営化した桔梗保育園の保育士の配置についてのお尋ねですが、平成17年度に民営化しました桔梗保育園の保育士の配置状況につきましては、17年4月1日現在では、入所児童数は定員90名に対し83名となっており、保育士は国基準の8名に対し11名配置しております。また、18年4月1日現在では、入所児童数は88名で保育士は国基準の10名に対して13名配置し、18年9月1日現在では、入所児童数は101名で保育士は国基準の13名に対して14名を配置をしております。 さらに、移管先法人では、この9月に3歳未満児の増が見込まれることから、8月末に新たに保育士2名を募集し、9月6日に1名を採用したところであり、残り1名については現在選考中であると伺っております。 民営化に当たりましては、移管先法人に対し、保育士の配置について、経営努力によりできる限り児童福祉施設最低基準を超えた配置に留意することを移管の条件としたところであり、移管先法人では、保護者ニーズに対応するため、定員を超えた児童の受け入れや国基準を上回る保育士の配置に努め、柔軟に対応しているものと考えております。 次に、美原保育園の共同保育についてのお尋ねですが、平成19年4月に民営化を予定しております美原保育園につきましては、移管先法人が本年4月に移転改築工事に着手したところであり、12月には新園舎が完成する予定であります。 美原保育園における共同保育の実施に当たりましては、亀田港保育園で実施した共同保育の引き継ぎプログラムを基本としながら、移管先法人と具体的な引き継ぎについて協議を行い、平成19年1月から3月に実施する予定であります。 なお、美原保育園は4月1日に新園舎に移転することから、備品等がすべて整う3月には新園舎を活用した保育を行うことについても検討しているところでございます。 以上でございます。
◎保健所長(綿谷靖彦) 大綱5の介護保険にかかわりまして、私から、1点御答弁させていただきます。
地域支援事業についてのお尋ねですが、
地域支援事業は、日常生活機能の低下が見られ、要支援、要介護状態になる可能性が高い特定高齢者を対象に、運動機能向上などの介護予防サービスを通所あるいは訪問で実施するものであります。 この事業の実施に当たっては、これまで対象者の把握や確保に向けて、老人クラブ、町会等へ周知を図るとともに、
地域包括支援センターとの協議を重ねてきたところであります。
通所型介護予防事業につきましては、今後も関係機関、団体との連携を図り、あわせて介護予防の観点から類似の事業を実施している新予防給付事業者に業務を委託し、できるだけ早い時期に実施してまいりたいと考えております。 また、
訪問型介護予防事業につきましては、保健所の保健師が担うこととなっておりますが、現在まで対象となる特定高齢者がいないことから、引き続き対象者の把握に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
◆(丸尾隆子議員) 一通りの答弁をいただきましたので、再質問をいたします。 まず、
生活保護行政についてですが、先ほど紹介した北九州市でミイラ化して発見された男性のことですけれども、この男性はひとり暮らしで右ひざの小児麻痺により身体障害者手帳4級を所持していました。昨年8月に失業して無収入となり、食べるものにも事欠き、ついに9月14日には水道、電気、ガスのライフラインがすべて停止される状態に陥りました。近隣の次男が1週間に2度ベランダから差し入れるパンと公園からくんできたペットボトルの水で何とか命をつないでいたそうです。この男性が亡くなったことで、北九州市の門司区福祉保護課の3度にわたる法律違反があったという指摘があります。 まず、福祉保護課の1つ目の法律違反ですが、昨年の9月28日、市住宅供給公社の職員が衰弱した男性を発見し、水道局に連絡、その翌々日、水道局の職員が生活保護課の保健師に通告、通告を受けた保健師と保護課ケースワーカーが訪問しました。男性は壁を伝ってしか歩けない状態で、保健師は救急車を呼ぶ必要はないが栄養状態が悪いため病院で診察を受けた方がよいと、保護課ケースワーカーに助言しました。また、男性は、そのとき生活保護を受給したい旨の訴えをしました。しかし、ケースワーカーは、ライフラインの停止と男性の衰弱状態を確認したにもかかわらず、門司福祉事務所への来所指導のみ行い、急迫保護をかけませんでした。生活保護法7条ただし書き、25条に基づく急迫保護をかけなかったということです。 次に、福祉保護課の2つ目の法律違反ですが、同日、男性が次男に連れられて保護課を訪れ、面接室にて保護を申請したいと訴えたにもかかわらず、面接主査は、親戚でよく話し合いなさいと申請を受理しませんでした。そのため、やむなく、保健師が1週間に1度の割合で家庭訪問を行うこととなりました。しかし、男性が求めていたのは病院にかかるための医療費であって、そのニーズは生活保護でしか満たせません。つまり、申請の要件ではない扶養義務を持ち出して、法第7条と24条に基づく申請受理を行わなかったことです。 次に、指摘されている福祉保護課の3つ目の法律違反ですが、12月6日、再び男性が次男に連れられて保護をお願いしたいと生活保護の申請を行いました。依然ライフラインはとまったままであり、健康状態も悪化し、コンビニのアルバイト収入しかない次男の援助が12月いっぱいしか続かなくなるとの切実な訴えでした。しかし、面接者は、それなら長男に援助してもらったらどうかとかたくなに申請を受理せずに2人を追い返しました。これが保護課の男性への最後通告となり、その後、男性は二度と福祉事務所にあらわれることはなく、飢えと孤独の苦しみの中で人知れず息を引き取りました。3度目も、2度目と同様の過ちを繰り返したことになります。 そこで質問ですが、私は、北九州市の
生活保護行政の対応に法律違反あるいは不適切な対応があったのではないか、だとしたら函館市としても教訓を踏まえるべきだと思うのですが、餓死、孤独死、自殺などの悲劇を生み出さないために、しっかりと北九州市の教訓を踏まえる必要があるのではないでしょうか。
◎市長(井上博司) ただいま丸尾議員から再質問いただきまして、
生活保護行政にかかわる御質問でございますが、これにつきましては福祉部長よりお答えをさせていただきたいと存じます。
◎福祉部長(岡田芳樹) 生活保護にかかわっての再度のお尋ねでございますが、生活保護の相談に際しては、その方の生活に困窮する状況や健康状態、さらには資産の保有状況、就労を阻害する要因、扶養義務者の状況などの諸事情を勘案し、慎重に対応しているところであり、相談者から保護を申請する意思表示があったときには、その場で申請書に記入していただき受理をするか、申請書を手渡して、改めて申請書を提出していただき受理をし、その上で保護の要否の決定を行っているところであります。 今後におきましても、丁寧に対応するとともに、適正な生活保護の実施に努めてまいりたいと考えております。
◆(丸尾隆子議員) 北九州市の悲劇の背景には、本来受理すべき申請を受理しなかったということがあります。相談件数に対する申請数の割合、申請率を私は調べてみたんですけれども、北九州市では2005年度の申請受理率は20.5%です。保護の窓口に来ても、5人に4人は申請できずに帰されています。厚生労働省は、申請する意思が明確であるにもかかわらず申請を行わせないことや、申請が行われているにもかかわらず申請を受理しない等の取り扱いを行うことは、国民に付与された申請権を侵害することになりますので、許されるものではありませんと明確に述べています。 保護面接相談は、生活の困窮状況や世帯の状況、相談を聞き、適切なアドバイスをするのは当然としても、保護制度の説明をよくして、保護が開始されるかどうかの予見性や可能性を述べるにとどめるということだと思います。門前払いするのではなく、申請後の審査で保護を開始するかどうかを決定するということが大切なのだと思います。 私は、函館で、衰弱した人が市に相談しに来たときに、8階の保健師さんに来てもらって急迫保護の対応をしているということも聞いておりますので、北九州市と同じ対応をしているとはもちろん考えてはおりません。しかし、今の答弁では、函館市では、北九州市のように申請を拒否することはないということでしたが、気になることがあります。 私が調べたことなんですが、函館市の申請率は、今から23年前の1983年には46.5%あったんですが、年々低下しています。昨年度の2005年度には、26.6%に低下しています。北九州市ほどではないんですけれども、4人に3人が申請できずに帰されている状況です。函館市でも64歳までの人だと、医師の働けないという診断書を持ってくるか、ハローワークに通って面接に何度か落ちたという記録を持ってくるようにと言われたりで、申請できずに帰されています。しかし、実際には60歳を超えて会社の面接にまでたどり着くということは本当に厳しいものがあります。65歳以上の人だと、息子さんや娘さんとよく話し合ってからまた来てくださいと帰されることがあります。 本来、申請後に行われる審査が相談の段階で行われているように思うのです。事前審査に当たります。程度の違いはありますけれども、これは北九州市などと同じだと思うんです。今の答弁では、申請はちゃんと受理しているということですが、もし申請させずに帰していると疑われるようなことがあるのならば、たださなければならないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
◎福祉部長(岡田芳樹) 生活保護の相談申請にかかわってのお尋ねですが、生活保護の相談に際しては、生活保護のしおりをもとに保護制度について説明をしながら対応をしておりますが、保護の相談をされる方の中には、資産などを所有したままで保護を受けることができるのか、同居する家族のうち私だけ保護を受けることができるのか、離婚を考えているが生活に不安がある、収入はあるが負債を抱えていて生活できないといった、相談時点では保護の要件に該当しない方の相談が増加してきておりまして、このことが申請率の低下につながっているものと考えております。 いずれにいたしましても、申請の意思のある方の申請を拒否した事例はございませんし、今後におきましても法に従い、適正な生活保護の実施に努めてまいりたいと考えております。
◆(丸尾隆子議員) 申請の拒否はないということでした。しかし、私たちのもとには、先ほど紹介しましたが申請できないで帰されたという声が随分寄せられております。申請拒否をしてはならないという点では、福祉部長の認識も私の認識も同じですので、私が、今後、申請できずに帰されたというような声を聞いて、それが申請拒否ととられても仕方のないような事例にぶつかったときには、直ちに福祉部長にお知らせしますので、そのときはきちんとただしてほしいということを強くお願いいたします。 次に進みますが、2006年1月15日に放映されたNNNドキュメント「生活保護は助けない」では、狭心症の年配の女性が、ケースワーカーから3カ月の保護受給の約束がなぜ2年にもなるんだ、あんたは太っているから就労できないんだ、1週間ぐらい断食してみろと脅迫的な指導を受け、精神的に追い込まれ、苦しむ姿が取り上げられました。放映後、ケースワーカーは、出演料をもらっているだろう、収入申告せよと再び女性を追い込んでいるとのことです。このような脅迫的な指導が続けば、保護の継続が必要であっても、心ならずも保護を辞退する人が出てきます。 生活保護法では、3つの場合に保護の廃止ができることになっています。制裁的廃止である2つの場合を除くと、生活保護法26条前段にある被保護者が保護を必要としなくなったときだけです。これは収入認定額が保護基準を上回った場合などであり、福祉事務所が主観的に判断できるものではなく、客観的に判断されるべきことです。ところが、函館市では辞退届による廃止が、平成ですが16年度で19.5%にも及んでいます。辞退届というのは、法律にも実施要領にもなく、様式化もしないものとされて、極めて例外的なものとされています。本人からの保護辞退の申し入れがあっても、要保護状態が続くのであれば、辞退の理由、廃止後の生活状況も検討の上、保護を継続するよう説得すべきものとされています。それでも辞退の意向が変わらない場合には、当面の保護の停止を検討することと何重にも辞退届での保護の廃止に歯どめをかけています。パート収入等が基準より少ないのに、保護廃止の対象とされ、辞退を進められたという事例があったことを私はお聞きしています。 例外として、ごくまれにあり得るものと想定されている辞退届による廃止が全廃止件数の5分の1にも及んでいることについて、どうお考えでしょうか。辞退に誘導するようなことは一切されていないのでしょうか。
◎福祉部長(岡田芳樹) 生活保護の辞退届にかかわってのお尋ねでございますが、生活保護受給者からの辞退の申し出の理由は、就労、結婚、年金の受給開始によるものがほとんどでありますが、聞き取りを行うとともに本人の意思を十分確認し、さらには廃止後の生活に困難が伴う懸念のあるケースについては、必要に応じてケース診断会議に諮って検討した上で保護の廃止を決定しておりまして、収入が少なく保護の対象であるにもかかわらず、辞退を勧めたといった事例はないものでございます。
◆(丸尾隆子議員) 辞退の誘導についても、そのような例はないという答弁でした。 これもまた私たちのもとに、先ほど紹介したような辞退に誘導しているのではないかと疑われるような例も寄せられております。しかし、辞退の勧誘があってはならないという点では、福祉部長も認識されていますので、今後、辞退の誘導と疑われるような事例が寄せられた場合、直ちに福祉部長にお知らせしますので、そのときにはきちんとただしてほしいということを、これもまた強くお願いいたします。 生活保護の相談の方が大変ふえておりまして、私のところにも随分来られております。3日御飯食べていないとか、もう行き場のない人たちが来られるので、私は北九州市のことなど御紹介しましたけれども、この函館でそういう人が出ないのかと非常に心配な気持ちになりました。そういうこともあって、今回質問しております。この函館から、
生活保護行政が理由になって命を落とす人を出してはならないということを最後に訴えたいと思います。 次に、季節労働者の雇用保険の特例一時金の見直しについてですが、制度の存続と給付水準の維持を国に要望しているということでした。さらに、季節労働者の雇用対策に取り組むということですので、ぜひ引き続き頑張っていただきたい。市長にお願いしておきます。 次に、
障害者自立支援法について、
地域生活支援事業についてなんですが、コミュニケーション支援事業、それから
地域活動支援センター事業などの
地域生活支援事業ですが、これまで無料のものは無料で継続するということや一たん1割負担になったものも所得に応じた負担である応能負担に戻すということですが、これまで私も無料継続は何度も要望してまいりましたので、また関係者の方々も大変喜んでおられます。障がい者のお母さんが、ああよかったって私に言われてたんですが、その言葉がすべてを物語っているなという気がいたしております。 また、市が障がい者団体に説明会を次々と行われておりますけれども、ある説明会では拍手もわき起こったというお話も聞いておりました。よく決断されたと、私も大変うれしく思っております。 同時に、私は1割負担が導入されたサービスについては、どうしても独自の減免を実施していただきたいと思っております。答弁では、4月になって、例えば施設通所者で1人当たり平均1万4,658円、施設入所者で1万3,782円の負担増ということですが、これはあくまでも平均で、負担が重い人はもっと重くなっています。そして、多くの障がい者の方たちは低所得ですので、全国的にもどんどん所得の軽減策をとる自治体がふえております。 御紹介したいんですが、例えば財政が函館市よりもかなり厳しいと思われる小樽市の場合、児童デイサービスの利用者負担を10%から5%に、それから市内唯一の知的障がい児通園施設の利用者負担を2006年度70%、2007年度50%、2008年度30%減額する激変緩和措置をとることになっています。これまで何度も提言してまいりましたけれども、改めて独自の軽減策の実施を強く要望しておきたいと思います。 次に、
北海道障害者基本計画と障がい者施設の今後にかかわってお聞きしたいと思います。 身体、知的、精神の3障がいのうち、精神障がいを例に質問したいと思います。 厚生労働省は、精神保健医療福祉の改革ビジョンで、退院への援助を待っている社会的入院の精神障がい者は7万2,000人と割り出しております。精神障がい者の家族からは、退院後のことや保護者が高齢化していることについて、強い不安の声が上がっております。このような場合、精神障がい者が自立して地域で生活するためには、住居としてのグループホームなどが必要ですし、経済的に自立するための就労支援も欠かせないことだと思います。また、精神障がい者のことを親身になって支えて支援事業に取り組み、活動している家族会などもありますが、家族の負担が大きくて、軽減を図るための支援が必要だと私は考えております。 市の障がい福祉計画の作成に当たっては、これらの観点をしっかり考慮すべきと私は考えますが、今後の計画についてのお考えをお聞きいたします。
◎保健所長(綿谷靖彦) 大綱4の
障害者自立支援法について再質問がありましたので、私からお答えさせていただきます。 精神障がい者の就労支援、グループホーム整備についてのお尋ねですが、精神障がい者の就労につきましては、現在、障害者授産施設が1カ所ありますが、10月から新たな制度として始まる就労のための知識や能力の向上等を目的とした就労移行支援等の事業の実施を予定しております。また、精神障がい者の在宅生活を支援するグループホームにつきましては、市内に3カ所が開設されておりますが、今後とも充実する必要があると考えております。 いずれにいたしましても、計画の策定に当たりましては、地域の状況を踏まえながら、サービス量などについて計画策定推進委員会で検討していただきながら、精神障がい者やその家族、家族会等関係者の方々の御意見を反映してまいりたいと考えております。 以上でございます。
◆(丸尾隆子議員) 家族会等の関係者の御意見を反映してまいりたいと保健所長から答弁をいただきました。 家族会などの活動は本当に負担も大きく大変ですので、今後も市の御支援を重ねてお願いしておきたいと思います。よろしくお願いいたします。 次に、
障害程度区分の問題についてですが、ある知的障がい者の施設では、独自に障害認定区分のソフトを手に入れてシミュレーションをしたそうです。その結果、入所者のうち42%が低い
障害程度区分となったということです。つまり、42%が施設を退所しなければならない区分に該当したそうなんです。これは本当に大変なことだと思います。そして、実態に合わないソフトをとにかく改善してほしいと施設長が声を大にして話されていたことを御紹介しておきたいと思います。 それから、区分認定で、異議申し立てで市の窓口に行ったとき、制度について優しく丁寧に教えていただきたい、親切な対応をしていただきたいという要望も寄せられていますので、あわせてよろしくお願いいたします。 次に、介護保険についてですけれど、視覚障がい者が要支援認定になったときの救済策についてですが、視覚障がい者が要支援認定になったときの救済策については、個別のケースについては相談に乗るということですから、よろしくお願いしたいと思います。 特に、視力障がい者の場合は、介護認定が軽く出るという問題がそもそもあります。それだけに必要な介護サービスを受けられないということがありますので、市としてもあらゆる知恵と工夫を動員して救済してほしいということを強くお願いしておきます。 次に、要支援、要介護1の高齢者の福祉用具取り上げの問題についてですけれども、余りにもひどいという全国の関係者の声に押されて、厚生労働省も、取り上げなくてもいい人がいるという事務連絡をおくればせながら出したということだと思うんです。 答弁では、要介護認定データを利用して福祉用具を取り上げるかどうかの判断がされるようですけれども、そうしますと具体的には現在軽度者で福祉用具を利用している人が何人で、そのうち何人が救済されることになるのでしょうか。 それから、判断は要介護認定データだけではなくて、
ケアマネジャーや主治医の判断を最大限尊重すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 また、新規の利用者についてはどのような対応になるのでしょうか。
◎福祉部長(岡田芳樹) 福祉用具の貸与についてのお尋ねですが、要支援及び要介護1の方で介護保険の福祉用具を利用している方は、7月現在で、車いす利用者が126名、特殊寝台利用者が454名となっておりますが、引き続き介護保険で貸与される対象者数につきましては、北海道国民健康保険団体連合会から送付される給付実績データの中に要介護認定データが含まれていないことから、把握することは難しいところでございます。 また、車いすや特殊寝台の貸与につきましては、国の通知において要介護認定データを利用して身体の状況などを客観的に判断することとなっておりますことから、
ケアマネジャーや主治医の判断によることはできないものでございます。ただし、車いすにつきましては、日常生活範囲における移動の支援が特に必要と認められる方につきましては、主治医の意見書を踏まえつつ、サービス担当者会議等において
ケアマネジャーが必要と判断した場合は、提供できることとされております。 なお、新規に介護認定された方につきましても、同様の取り扱いとなるものでございます。 以上でございます。